空間

好きなように話させてよ

織るということ、編むということ、縫うということ

センターステージで、蛍光ピンクの衣装を着て歌ったあの曲が忘れられない。わたしのはじめての東京ドームだった。季節を背負う彼らが、ほんとうに好きで、一生続いていくと思っていた、あの頃。一番好きな会場の一番好きなステージの一番好きな衣装、一番好きな人たち、のなかでも一番と言っていいくらい好きな瞬間。


今でもピンクの色をまとって円に並べば、それこそ、あの季節につながっている気がする。あの季節のあの時間、あの一瞬。


実は何度もピンクはリフレインされているけれど、二度目のピンクは四人の意志で、三度目のピンクはますださんの未来への思い、だといつしか思った。何度も何度も繰り返される色、同じだけど、いつも違う意味を持つ。衣装は物語をつくれる。今までたくさんの物語をつくってきた彼らだからこそ、それをこうやって再編して、たくさんの思いを織り込んで、時間を超えて縫い合わせることができる。


彼らは、捨てないでいてくれる。切り離さないでいてくれる。誰かが好きだった、その一瞬一瞬の積み重ねを。なかったことにしないでいてくれる。私たちの誰かにとって大事なその瞬間と、その瞬間の気持ちは、ほんとうにかけがえのないものであると同時に、彼らにとってもその瞬間瞬間のすべてがかけがえがない。あのときこんがらがった糸も、途中でプツンと切れた糸も、それでもなんとか今の今までつながっていて、それらがなければ今はない。過去は否定しなくていい、振り返らなくてもいいけど、振り返ってもいい、過去を現在に引きずり出してもいい、新しい糸をくぐらせれば、またそこからつながっていく。





メンバーが6人だった頃、ピンクの衣装を着てセンターステージで『さくらガール』を歌った時のことが強く残っているんです。NEWSが着るピンクの衣装は特別で、僕らが過去にやってきたことへのリスペクトと挑戦。


装苑2017年9月号「増田貴久が手がけるNEWSの衣装」





物語は、布である。糸を織って、編んで、縫い合わせて、作られる。
そうであると、そのままに証明してくれたのは、紛れもなくまっすーだった。







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答え合わせ。

わたしの感じていたほとんどは間違いじゃなかった。
いつもすてきなものを見せてくれてありがとう、まっすー。