空間

好きなように話させてよ

夢に夢見た季節は心にある

 

ストンズが歌う「エンドレス・サマー」、ストンズのこと大好きだし、エンドレス・サマーのこと大好きだし、すごくすごくよかったのに、不思議と脳裏に浮かんだのは6人じゃない4人で、そんな自分に驚く。音楽番組で今の4人で歌った「エンドレス・サマー」、平気で4人の歌だと思って疑わなかった、そんな自分にも驚く。

 

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わたしが一番に好きだったはずの季節、一番に一番だと思ううちになぜ一番だったかわからなくなって、そもそも一番ってなんだろう、何が一番を決めるんだろう、って迷走して、でも過去の自分が言葉にして神格化してきたあの季節は存在する気がして、どんどんと得体の知れない化け物になっていく。都市伝説みたいなものだと思う、自分が好きだったもの、って、自分の紡いだ言葉の呪いと鎧で絡め取られて、気づいたら自分の手に負えなくなるものだ。

言葉の奥底に埋められた、本質そのものを今掘り返したなら、わたしは同じ気持ちで好きって言えるだろうか。あの時とは違うわたしに、あの時と同じ心の揺らめきは再現できるだろうか。これにはちっとも自信がないから、あの日あの場所であんなにも好きだと思えたことは本当に特別なことなんだろう。

 

だからいつだって、わたしが一番に好きな季節は、今だって言いたい、心(ここ)にあるよ。今日、わたしが何かに好きって思うことは、今日しかないわたしの好きって気持ちだから、特別。