空間

好きなように話させてよ

かなしみは夜の海越えて

 

たくさんの子に愛を書いていたら、もちろん一番好きなあの子にも書きたくなる。

 

今年もたくさん夢を、光を、見せてくれてありがとう。本当に特別な時間だった。こうして手を引いて世界でいちばんの場所に連れて来てくれること、何より誇らしくてうれしいことなのだよね。今年は三月の途中に200回目を迎えたそうで、すごく驚いている自分がいる。200回、おなじことを繰り返してきたのだなあ、この人は。全身全霊で向き合ってきたのだと思う、ただの1回も手を抜かず、200回。

 

もう、どうして好きになったかとかどういうところが好きなのかとか、だんだん分からなくなってきているけれど、本当に好き、という気持ちだけが募っていく。わたしにとって、本当に本当に特別なのだと思う。忘れたくない。

 

まつくらくんのことを語るときに、最近「信頼」という言葉が欠かせなくなってきた。

舞台の上で表現するすべてだけが彼が送るわたしへのコミュニケーションで、紅い客席から送る拍手だけがわたしから彼へのコミュニケーション。それ以外には何もなくて、本当に本当に不確実で繊細で曖昧なものだけど、何よりそれが信頼できて愛にあふれるすべてだと思う。不安や心配は200回を越えた今、ひとつもなくて、舞台の上にいるまつくらくんのことは100信じることができるよ、と言い張れる。

 

今日ね、縁があったので今日を2017のわたしの終わりにした。2か月の間なんどもなんども足を運んだこの場所に、とんでもなく思い入れがあるけれど、でもその場所を去ることは思いの外さみしくなかった。去年よりずっと強く、また戻ってこれるという気がしている。去年のわたしは、傷つきたくなくて幕が開いたそこに姿がなくとも後悔はないと言い聞かせていたけれど、今年はまた違う気持ちでここにいるよ。「信頼」があるので。

 

とはいえども、今日の公演自体が夜の海と重なってみえて泣き出してしまいそうだったことは認める。今年のカイトはもうあとわずかで消えて失くなってしまうのだなあ。消えることをわかっている中で一生懸命今を踊る姿が強くて儚くて美しかった。

 

もう時間はわずかしかない。まつくらくんの作り上げたカイトはもう、あと少し。舞台の上でもただの一瞬も裏切られたことないなあと思い出して、泣きそうになる。別れはかなしい。でもこんなにたのしくてうれしくて、幸せや喜びをたくさんくれた君に、おおきな祝福を。かなしみは夜の海越えて、今ここにあるのは希望と信頼。ずっと、ずっとずっと続く夢へ、わたしの手も引いてつれて行ってくれたらいいなあ。