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空間

好きなように話させてよ

今年のさくらはいつもより美しい気がする

ひろきがさくらだったんです。

さくらっていう名前じゃなくてさくらそのもの。チェリーブロッサム。しかもソメイヨシノ
それって劇的にエモい話だと思うんです。

どう?ねえ。





さくらは、「何のためにあるの」と言う。ただお酒を飲みたい人が、花見の名の下に集まるだけじゃないか、全然ぼくのこと見てくれないじゃないか、自分なんて意味ないじゃないか。ましてやソメイヨシノソメイヨシノってクローンなんですよ。ぼくは自分一人では生きていけない、子孫を増やすことができない。*1ぱっと咲いて、散るだけの花。春が終われば、誰にも見向きされないのだ。


ああ、もしかしたら、アイドルという花は、そうやって思うのかも。劇場にこんなに人が集まっているのに、それは満開の時だけだ〜って思うのかも。確かに演劇というものは、花みたいに、パッと終わってしまうもので、人は散り散りに帰って行ってしまうものだけど、その儚さをわたしは愛していて、そしてその作品は心の中にみんなそれぞれの形で残っていくものなのだよ。アイドルも終わるかもしれないけれど、いや、いつかは終わるのだけど、そしてもしかしたら人によっては1日1日アイドルを終えているのかもしれないけれど、でもたぶんそんなに簡単に観客の中にいるアイドルのあなたは消えない。


わたしはひろきがアイドルでよかったなあと思う。アイドルという定義が、歌って踊りCDを出すというのならもう違うかもしれないけれど、でもたぶんそうじゃない。ひろきはアイドルのままそこにいる。アイドルを辞めなかったし、アイドルでいることを諦めなかった人だと思うのだ。


「音楽劇」とは、言ってみればラップミュージカルとでも言えるのかもしれないけど、ダンスありラップあり演技あり殺陣あり笑いあり、という感じで本当に新しいものを見ているような感じだった。ひろきは今までアイドルグループにいて、バンドを組んで、ストレートプレイの芝居をやって、ミュージカルをやって、Endless SHOCKをやって。ああ、全部無駄じゃなかった、無駄なことなんてひとつもなかったなあって思える「最高はひとつじゃない」。今まで観てきた作品のエッセンスがそこかしこに見え隠れして、彼の辿ってきた物語がさりげなく織り込まれていて、めちゃくちゃグッとくる。それでいてラップは初挑戦だから、過去に得た技術がすべてじゃなくて、新しい武器を手にいれるチャンスをくれる。KREVAさん最高じゃないですか、もう、ひろきをキャスティングした時点からこの作品はメタ性を持って最高ですよ本当に。


年末のジャニワに出た頃から思っていたけど、ジャニワ以前の近年の彼の仕事はジャニーズでありながらジャニーズでないようなものが多かった。錦織作品はまあその例みたいなものですけど、グループ仕事がないとこうも曖昧になってしまう。そもそも「ジャニーズらしい」の定義があやういからってのもあるけどね。(だって手越さんは「ジャニーズで異端」と「ジャニーズらしい」の両方を抱えているくらいだから。)生田斗真とか、かろうじて嵐との交友があるから保っていられるけれど、『ジャニーズ仕事』をしているわけではないよね。


でもふしぎなことに、ひろきはジャニワを受けることで内側にジャニーズであることを示し、最高はひとつじゃないを受けることで外側にジャニーズであることを示した気がする。ふだんこんなに言われていないだろうけれど、今回KREVAさんはひろきが「ウチはジャニーズ」だとたくさん口にして、またそれが売り文句のようでもあった。「ジャニーズが俺のラップを歌うぜ」というキャッチーさとジャニーズファンという少なくない集団を引き込めること。こうしてみるとやっぱり「ジャニーズ」であることの商品価値はまだ存在しているし、改めてひろきがジャニーズでいてくれることがうれしい。


ひろきは、ずっと変わってきたけれど、ずっと変わらないよ。




***






KREVAの新しい音楽劇 最高はひとつじゃない

ということで「最高はひとつじゃないSAKURA2016」という舞台を観に行って本当に最高だった話でした。
ひろきの持つ物語をのぞいても、たぶんこの新しさは衝撃だし、KREVAの音楽聞きに行くだけでも最高だし、いやそもそもKREVAのプロデュース力最高だし、増田有華ちゃんも好演だし、トムさん最高だし、最高はひとつじゃないですよ。ほんと。
「最高はひとつじゃない」ってバズワードすぎるし。使いたすぎる。

ラップってなんだろうなって思ってたけど、メッセージのせたラップはかなり感情移入しやすくて、逆に今みたいなフラットな状態で歌詞検索かけたらこっぱずかしくなるくらいでした。

今日の夜は強い風が吹く予報。さくら散っちゃうかなあ。わたしは葉桜が好きです。