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空間

好きなように話させてよ

レクイエムはまだ歌いたくない

書くことにもちろん躊躇いもあるのですが黙ってられないので、書くよ。
書くことは悪じゃないって、思いたい。残しておかないと消えてしまいそう。


簡潔に言います、「辞めないでほしい」


11月の終わり、さむくなって、空気のきれいな季節。虚しさばかりがたくさんある。ずっとそこに在り続けるものなんてなくて、みんな終わるいつか終わる。人の命もモノの命も、もちろんアイドルの命も、みんないつかなくなってしまう。そういうものである。何かの上にしか成り立てなくて、それだけが全てにはなれない。世界の物事はすべて連関している。分かりきったことで、十分理解していたつもりだったけれど、永遠を謳うその表情から全く終わりが読めなかったから、こうして、私は混乱している。ずっと先のことだと思っていた。静かに終わりを悟って、静かに終わりへ向かっていく。自然の流れで、薄れていって、やがて消える、そんなように思い描いていた。なのに、なのに。さっきまで強烈で鮮烈に光を放っていた一等星は自らの手で自らを闇へ放り込もうとしている。もっと静かに光が絞られていくとおもっていた。なのになのに。


大事なものを残して、好きなものを傷つけて、勝手に去っていく人のことが、今日ばかりは嫌いになれない。だから、また困る。もっと憎たらしくて、仕方がなくて、だいきらいで、だったらいいのに。暴言や恨み言の一つや二つ、言いたい。あなたがいない方がいいに決まっている、と思いたい、私のために。なのに、できない。一つ、言うのなら、あなたのようにやさしい人ほど残酷で、その強さがうらめしいよ。もっとダメなやつで、長いものに巻かれて、自分の意見を曲げてしまうような人だったらよかったのに。このまま大船に乗っかっていこう、だって楽だもん、くらい思っていてくれたらよかったのに。どうして。どうして。あなたのことが全然きらいになれないから、私はまだ泣くこともできないし向き合うことも信じることもできない。言いたいことは一つ、「辞めないで」「辞めるのやめてよ」「ずっとここにいて」。我儘だけど。我儘くらい言わせてくれよ。


思えば、2年前くらいまで、田口くんのことは何とも思っていなかったのだ。むしろ言ってしまえばいつも変なことばかり言っている人だと思っていた。代打で出たドラマは3話までしか見れなかった。でも、少プレでFLASHを踊る田口くんを見て、変わった。手のひらを返すように変わった。顔がきれいで踊りがきれいでバク転をきれいに飛んで、ずば抜けて表現の上手な人だった。それから、ずっと好きだ。才能のかたまりだと思う。生まれ持った才能だけじゃなくて、努力と愛嬌の人でもあった。いつも笑っていてしあわせそうで、私の好きな人そのものであった。


何が人間を人間をたらしめているのか、その答えは明快ではないけれど、もし思考を制限することが人間を人間でなくしてしまうとしたら。それでもこんなことになるくらいなら、人間として在ることを奪ってしまいたいくらいだ。あのひとの中のそういう回路をすべて断ち切ってしまいたかった。そういうことを考えられなくしてしまいたかった。「何かを捨てる」ことをずっと知らないでいて欲しかった。アンドロイドでも人形でもよかった。のに。そんなことは誰にもできなくて、そしてもはやその決断をひっくり返す力は私たちにはない。勝手だ。アイドルは勝手だ。私たちだっていつも勝手なのに、こういうときばかりはその勝手さが理不尽にさえ思える。


一体ファンなんていう生き物は存在するのだろうか。ファンってなんなのだろう。私が誰かをつなぎ止めておける自信がないのだ。もちろんそんな権利はなくて、誰も誰のことも縛ることはできないのだけれど、もしかしたらそういう存在になれる「可能性」くらいは少なからずあって、ある瞬間に思い出してもらえるような存在になることはできたかもしれないのに。「みんながいてくれるので」と言ってもらえたかもしれないのに。でも、私には、私たちにはそれができなかった。誰かの一生を支えることなんて、できない。一万人、二万人、そんな数の人が好きだよって言っても支えられない。どうしようもない。どうしようもないな。自信がなさすぎるよ。


たくさんの人に愛される才を持った人が愛されることを投げ出してしまうことがとんでもなく悲しくて、何万という人の愛が受け止められなくなる未来がまたまたとても悲しい。悲しいってなんだろうね。勝手にアイドルになって勝手にファンになって勝手に愛されて勝手に愛して、みんな勝手だから、「決めたことに口出しすることは野暮」とか言われそうだけど、私だってそんなことはわかっているけど、言う。勝手に言う。聞くかどうかは勝手にしてほしい。聞いてくれたらちょっとだけはうれしいけど。この際聞いてくれなくてもいい。わたしは田口くんにいなくなって欲しくないと思っているから「辞めないでほしい」。適当に嘘でもついて戻っておいで。


こんなにどうしようもない言葉ばっかりスラスラ出てきてしまって、本当にどうしようもない。