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好きなように話させてよ

俳優よ文化の担い手になれ

三上博史:俳優という人生

Another Sky 7月3日 ON AIR
三上博史テレンス・スタンプの対談を中心に文字起こし






頑ななまでに、そして愚直なまでに俳優の道を歩んできた。
目に耳にする全てが芸の肥やし。


三上「そうですね、行動の癖みたいなものとか、こんなひといるんだとか、こんなもの見たことないっていうのはコレクションしてメモに書いておきますね。
いつも探してますね、いろんな人物をやっぱり演じなきゃいけないんで、自分の持ちネタだけだと少ないんですね。」


友の導きのより出会ったひとりの天才に見出され、三上博史の俳優人生は始まった。


三上「寺山修司の劇団「天井桟敷」という、僕は15歳で子供だったんですけど、
いろんな映画の話を聞いていると僕の知らない映画がいっぱい出てくる。その中にイタリア映画が多かったんですね。」


今田「師匠じゃないですか、寺山修司さんっていう方は。三上さんにとってどんなひとですか。」


三上「う〜〜ん...いちばん最初に呪いをかけられちゃったみたいなところありますね」


今田「それは役者としてですか?」


三上「はい。「なんでもありだよ」ということは教わりました。
そんなにむちゃくちゃ背も高くないし、あの〜まあルックスはそんなによくないじゃないですか。
そういうことじゃなくて自分ができる役っていうものがある。「自分で想像力膨らましててやっていきなさいよ」みたいなことはあったかもしれないですね」



(VTR)



「求道者」

彼は真理を求め、イタリアまでやってきた。寺山修司の薫陶を受け「映画」に魅せられた男は、この小さな教会に立つ、ある人物を目の当たりにしたその時から俳優という答えなき道を歩き始めた。

そして大げさではなく、彼は今回の撮影で、ずっと求め続けていた一つの真理に触れた。

小さな町の教会、ここが三上博史にとって俳優のスタート地点。

(「世にも奇妙な物語」『悪魔の首飾り』について。俳優テレンス・スタンプとの出会い。)


三上「僕にとってはいつ見ても惹かれてしまう、自分を忘れてしまうんですよね。彼といっしょにフェラーリに乗っていたり、別の次元に連れて行ってくれるマジシャンのような。
僕らが演じるときって台本が手掛かりなんですよね。ト書きって言ってセリフ以外のことも書いてあるんですけど、そこに書いてないだろって芝居を、イメージを解放させて、自分の行動にないものをきっとたぶん演じてるんだと思うんです。」


俳優がいつかはたどり着きたいと願う境地にすでに立っていたテレンス・スタンプ。彼の存在を知ってからは他の俳優は見えなくなった。求める道は果てしなく一寸先は見えない。けれど前だけを見て歩き続けた。転ぼうと迷おうとひたすら歩き続けた。



(スタジオ)



今田「すてきな出会いもあったんでしょう?」


三上「もういいです、僕の人生で、これで」


今田「この方だったら地球の裏側でも行くぞっていう?」


三上「飛んでいきます。会いに。どこまでも行きます。」



(VTR)



三上「Hi, nice to meet you. My name is Hiroshi, sorry... I really want to meet you long time. Finally, this moment is coming, and my dream comes true.」


テレンス「Ah hah.」


三上「Thank you very much.」


テレンス「Have a seat.」


三上「一時期ちょっとお休みされていた時期がありますよね、その時はどうだったんでしょうか。」


テレンス「1969, work stopped.

So without work from 69 to 77.

So my life all was in the middle.

So I traveled around the world.

I lived in Kyoto, I lived in India.

Important thing I think was during that time mentally I changed from being a leading man to be a character actor.

First, as young actor, I want to be a leading man, so when I came back I just thought confident to play anything.

First movie I saw I was like 3, but it didn't matter for who is 3 or who is grown up to be touched by something.

And I have the feeling when I became an actor and I got a first film.

If I could give the very best of myself, I would touch the audience in the same way that I had been touched.

And say I don't think about the role because the best of role is not mine.

It's something.

And happen sometimes between action and cut.

Because I think it is possibility for that the best of me to come out.」


すべての言葉が心に染み渡り、隙間という隙間を埋めていった。


テレンス「If I'm not making myself clear, you must tell me.

Cuz it is important to me you know.

I've never spoken about this before.

So I was on speaking about it I wanna make sure that like he really understands.

Because of problem you understand, we don't have the common language, you know and the talking about things are very delicate.

He is not any different from me and we both are creative artists, you see.」


かつて雲の上の存在だった俳優が「私と同じ」と言ってくれた。それだけでもう十分だった。


テレンス「But it's hard to put it into the words.」


テレンス「And I got my first movie, I looked better on the screen.

I'm a movie actor!

I'm a movie actor!!!

Camera loves me!


テレンス「So what i learn in my career, is to like want to be as much as i can, i wanna be present, and live my life aware.」


30年越しの答え合わせ、歩んできた道に間違いはなかった。


テレンス「The day... the day is my movie you know.

To know when I'm present.」


全てが俳優という今に集約される


テレンス「The art is the heart.


嘘か誠か夢か現か


テレンス「I don't do movies for the money you know, unless I don't have any money.」


30年間会いたかった人は映画そのものだった。



(対談を終えて)


今改めて問う、三上博史にとって俳優とは?


三上「あのーほんとにややこしい仕事。
やっぱり好きなんですよね、ああちくしょー、無意識だ。」


無意識に人生がにじみ出る、それが俳優。
30年かけてたどり着いた境地。



***



以上が私の怪しい英語の文字起こし。

別に彼が俳優として特別好きだったわけでもない、なんせ私のファースト三上博史プロポーズ大作戦の精霊なんだから。

でも、テレンス・スタンプと対面して、話を聞きながら本当に涙を流す三上博史は特別魅力的だった。

たまたま見たテレビ番組の文字起こしを(しかもかなり怪しい英語で!日本語字幕を起こせばよかったと今更後悔している)するなんて!

カメラに愛された俳優ってなんてすてきな響き、日々が私の映画だなんてなんてうらやましいの!

私も好きなことをやってずっと生きていきたいけど、何が私を愛してくれるだろうかと考え始めた。仕事のことを誇らしく楽しげに悩ましくそして自分の言葉で語れる人になりたい。