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好きなように話させてよ

10000字を読みました #4 強くて弱い人

10000字インタビューMYOJO2015年9月号手越祐也さん回を読みました。ので、感想を書きます。

前回同様、ナンバーが飛んでおりますが、増田さん(8月号分)について書いていないので、一応#4ということで話を進めます。
kieui4.hatenablog.com



 変わってないです。手越さんはずっと変わっていない。
 いつも隠していることもなく、なんでも思っていることを話してくれるから、秘密も隠し事も嘘もなくて目新しさのあるインタビューでもないけれど。
 そこが好きだなとまた改めて思いました。私は彼のそういうところがとてもとても好きです。
 ゆっくり、じっくり、それを確認できたインタビューでした。


 いつもそうしているわけではないけれど、10000字はなんとなく特別だと思ったので、その時のわたしの気持ちをどこかに残しておくという意味も含めて、感想を書くことを念頭に置いていたので気になったところや好きだな、と思ったところに付箋をつけながら読んでいたら、付箋だらけになりました。私、シゲの書く文章も好きだけれど、手越さんの選ぶ言葉も好きなんだよね、かなり。


 それでは以下、本題と引用。ガンガン引用していますので、インタビュー自体を未読の方は読まないことを推奨します。


いちばんファンの近くにいる位置

メンバーの真ん中に立ってステージに立って。”ここ気持ちいいな。俺はここにいたい。”って思った。(中略)前に誰もいないこの景色、いちばんファンの近くにいるこの位置っていいなって。スッゲー気持ちいいって思った。だから俺は、絶対にセンターになろうって。ずっとセンターに立ちたかったよ。センターになりたいってずっと思ってた


 ずっと中心にいたやまぴーがいなくなって、自分がセンターになるチャンスだと思った手越さんの発言。私は彼がこんなにセンターにこだわっていたことなんて知らなかった。
 けど、これも変わってないんですよね。「事務所に入り、NEWSというグループに入るまで、どこにいても俺はグループの先頭にいたんだ。クラスにいても勉強、スポーツともに上位の方にいたし、みんなで集まっても真ん中にいた気がする。それなにに、中学生でNEWSに入って、そこで経験したのが”目立たない存在”ってポジション」(ポポロ2013年9月号)って言っていた頃の話と矛盾がない。センターという単語に置き換わったくらいで、彼はメンバーを引っ張っていけるポジションにこだわっていた。本能的にそこが自分のホームだと感じ取っていたのかも。


 そもそも今も昔も偶数人数のグループでセンターなんて存在しないのに、そのワードを大切に思う手越くんがとてもらしいなあと思う。センターに恋い焦がれる少年、かっこ悪いわけないよね。そして、その場所を「いちばんファンの近くにいる位置」だと思っているのがすごく彼。変に寄り添ってくることはないけど、ファンとアイドルという身分をもってして最も正統で純粋に近い距離を取ってくれる人だ。それも、こちらから無理に詰め寄るんじゃなくて、向こうからそっと顔を近づけてくれる気がする。たぶんこっちが変な顔してても、彼はにこっと笑ってくれる、そんな気さえする。ファンというフィルターを身につけたら、この人の瞳には大層かわいらしくみえるんじゃないかと時折錯覚する。

メンバーの呼び方について

錦戸くんがやめようと思ってたことは、その時まで知らなかったけど、山下くんのNEWSに対する熱が(以下略)

”おまえがグループを引っ張ってくれ”って言ってくれた小山や加藤の顔、”やってみっか!”って俺が言って時の増田のニコって笑った顔。そして会場にいたすべての人の顔。すべての点がつながって線になったっていうか”NEWSはやっていける!”って確信を持てた瞬間で。そしたら、なんかこらえきれなくなっちゃった


 あんな顔であんな髪してるけど、すごく古風なところがあったり礼儀に厳しかったり。それらは家族の影響だろうなって私は勝手に思っているけれど、そのなかで、身内を呼び捨てにする手越さんが好きだったりもする。
 普段、「けーちゃん」「シゲ」「まっすー」ってデレデレと呼ぶけれど、対外的な場面では「小山」「加藤」「増田」ってちゃんと呼べる人なのだ。一方で「錦戸くん」「山下くん」がそうでないのはそういうことなんだろう、と思った。そもそも彼らに対しての距離は遠いままだったし、そして、今、彼らは身内ではないし。何が大きな理由かはわからないけれど、そういうことなのだ。たぶん。
 もし、脱退していなかったとしたら、今頃手越さんは彼らを「山下」「錦戸」って言えるのかな。「もし」なんてどうでもいいけれどちょっとだけ考えた。


家族、それから根っこの部分


 そして家族の話。


 手越さんの強さだったり心根の部分は本当に家庭環境が大きいと私は勝手に思っている。よく、お母さんの話をしていたから。大体いつも決まって内容は感謝の言葉なんだけれど、「産んでくれてありがとう、育ててくれてありがとう」と自然と言える彼にとって母は偉大だったんだろうとよく思っていた。一人っ子だしね。


 でも実は、彼がお父さんの話をすることって少なくて。滅多にしない。(と私は思っていた。そうじゃないのかな、ちゃんと言動をすべて記憶して調査してってわけではないので私の実感のレベルで話しますが)


 少し前にそれが気になって、ちょっと気にしていたら、ちょうどその後ぐらいに訃報の噂が流れてきた。噂にすぎないし、私は彼自身が語った言葉しか信じないようにしているので、気にしていなかった。*1彼はそういうアレコレを言わないだろうと思ったし、言ったのならそれを信じればいいと。言うまで待てばいい。


 でも、連載のブログが弱々しくなったとき(本当に正直者である)、ああそうなのかな、と思った。
 しばらくしてテゴマスのらじおで父が立教大の野球部で活躍していたことを堂々と言った時には、何か心境の変化があったのだろう、と思った。お父さんの話より、お母さんの話ばかりの人だったから。
 ドームの最終公演、アンコールのMCで「悲しいことがあった、人生で一、二を争うような悲しいこと」と泣きそうな顔をして話した時には、確信をした。大切な人だったんだろう、と思った。

ううん、大丈夫。俺が葬式の喪主だったんだけど、親父はNEWSのファンだったから、式で流すためにシングルメドレーを作って。式の最中、「さくらガール」がかかったら、親父のおふくろ、僕のおばあちゃんが教えてくれたんだよね。”この曲が好きで、いつも歌ってたよ”って。俺、それを初めて知って。親父、ドームのライブに来るはずだたからさ、

だって、きっと望んでないでしょ。俺がへこむことを親父は。へこんだら、”俺のせいで申しわけない”って思わせちゃうよ。もちろん、つらかったよ。でも、葬式の最中もいっさい泣かずにいて。まわりはガーガー泣いてたけど、俺が泣いたらダメだと思ってさ。泣いてあげたかったけどね。でも、きっとそんな弱い俺を望んでないから、全部終わってひとりになったとき、大泣きしたけど

そうかな。俺は親父からもらったポジティブな性格だから、身の回りに起きたいいことも、悪いことも、すべてに感謝してて。


 顔は母親似と自分で言うけれど、この人の精神の部分は、たとえ遠くにいても、お父さんのDNAだったり教えだったりするんだろう。自分の両親を誇らしく思っているであろう、彼らしさである。ああ、この人の本当に大切な部分はお父さんからもらったんだね、きっとそうなんだね、って私はファンでしかないけれどそう思った。


さいごに


 私は彼に似ていない。対極に近いところにいる人だと思う。共感できない、から好きでいられる。
 と、ずっと思っていた。


 実はそんなことないのかもしれない。彼の言っていることは真っ当で真っ直ぐで、その真っ直ぐさが時折まぶしくて、目を背けたくなるときもあるけれど、そんなに私と変わらないのかもしれない。


 そんな真っ直ぐな言葉を三つ。そうありたいと思う、まだまだ実践までは遠いけれど、共感はする。尊敬と憧れ、まぶしくてうらやましい。

俺、"〜だから”より”〜なのに”が好きで。ジャニーズなのにピアノを弾くとか、ジャニーズなのにパンイチになるとか。"だから”は誰にでもできるけど、"なのに”は限られた人にしかできないでしょ?

それに、せっかくいちどきりの人生だから、好きなことを、楽しいことをやるのがいちばんだとおもうんだよね。で、その楽しいことの手前にあるのが努力だと思ってて、逆説的に言えば、楽しいことが待ってるから努力ってしたほうがいい。その先に楽しみが絶対待ってるから。それに、突き抜けると、努力を努力だとも思わなくなるんだよ。(中略)それに、俺は小さい時から”好きなことをやれ”って、ずっと親父に言われて育ってるからさ

俺はシンプルに考える。俺は、欲しいものがあるのに、なりたい自分がいるのに、”手に入らないかも”とか”自分じゃなれないかも”って手をこまねいているだけの人生なんてガマンできないから。せっかくいちどきりの人生をみんな生きてんだもん。好きなことをやってなりたい自分になるべきだよ。


 そして、最後に一つ。同じだな、と思うこと。

でも言うほど強くないよ。そんなことがあったから、ツアーでファンのみんなに会えるのを励みに日々をがんばったって部分があるし。やっぱり俺のこといちばん理解してくれるのはファンのみんなだから。


 ちがわないよ、私にも同じ部分が少なからずある。がんばるためには何かが必要だ。

 あなたがそうしていられるよう願うために、わたしがそうしているために、わたしはあなたのファンを続けている、そんな気がした。

 あなたの選ぶやさしい言葉が好きです。

*1:実を言うと、生活の距離が遠いのではとちょっと邪推していた節もある......もう関係なくなったのかもと......