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好きなように話させてよ

映画「DOCUMENTARY of AKB48 The time has come」を観た

最初に書いておくと、私はAKB48グループのファンではないのです。
好きだけど、きらいだし、でも好き。
茶の間で、エンタメとして観る対象としてはとても好き。
それくらいの感じなのです。


今までのドキュメンタリーは何本か観ました。
でも、全部で何本あったかは覚えてないし、そのどれもを観た訳ではないってくらいの興味関心なのです。
メンバーでいうと、選挙に出てくる人はだいたい分かる。
地方メンバーになるとトップ3プラスαくらいしか分からないけれど、AKBならば研究生までいかなければ8割くらい分かる…と思う。数えたことない。


そんな私は、突如映画館でAKBのドキュメントを観たくなり、平日の真っ昼間から上映されてるそれを観てきました。
私含めて五人ほどのお客さん。みんな男の人。見た目もすごくオタクな。
めっちゃアウェイ。
もしやこれはDVD待った方がいいんじゃないかと思うレベルでアウェイ。


感想。




これに尽きた。


なんなんだろう、たぶん男の子をこうやっておなみだちょうだいなドキュメントにすることって
ちっとも面白くない(いや多少は面白いかもしれないけれど、現にNEWSのあのドキュメントは面白かったけど)
と思うんです。
彼らは悩んだり、苦しんだりする姿を見せていくことをよしとしないから。
影の努力がかっこいいと思っているし、エンターテイメントとして、ショーとして、パフォーマンスとして、プロとして、
そういう線引きはしっかりしている。
女の子みたいにアイドルの時間は一瞬じゃない。
もしかしたら死ぬまで付き合っていかなければならない職だからですよね。


でも、女の子は、そういう感情をあらわにする。
商業的に、こういうドキュメント映画が組み込まれているから、という話もあるかもしれないけれど
思い切り泣いて苦しんで挫けて立ち上がっていくストーリーを切り取っている。


ふつうに生きているのよりも
もっともっと感情を揺さぶられる世界で生きているのがアイドルなんだなあと思わないではいられません。


アイドルもふつうの女の子なんだよ、とは言うしそれはもちろん正しいと思うけど
圧倒的にふつうの女の子と違うのは「アイドル」だってことなんですよね。
一体アイドルってなんなんだ。


好きなシーンはたくさんあって
なにより一番は春コンでUZAへ出陣していく背中です。
アイドルがステージに登っていく瞬間がとても好き。その数段の階段を駆け上がるうちに表情を入れ替えるのが好き。
地下であるいろいろなアレコレを舞台の上ではなんにも見せてくれないのが好き。
あとは特効も好きだしフライングも好きってのもあります。
じゅりながセンターで踊ってるのもとてもよかった。


たかみなのことばの一つ一つもよかった。
圧倒的だった。きっと見えている世界が違うんだろうと思う、近くの仲間もたくさんいる後輩のことも、やさしさと強さで守っているんだなあと。
この人に全幅の信頼寄せている人がたくさんいるってのが分かった。


ぱるちゃんやまゆゆ、ゆいちゃんが泣きそうになるときに表情をキュッとするところも好きだった。
私はいつもだあだあと泣いてしまう方なので、そういう表情したいんだほんとうは。
彼女たちは意識的にそうしているのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
周りが泣いちゃうと泣けなくなっちゃうっていう友人もいたけれど、でも感情はちゃんと動いているんだよって言っていた。
泣いてないけど、その表情から見えるものはたくさんある。


岡田奈々ちゃんが毛布にくるまって吐露するところもよい。
初日に比べたらわくわくしなくなっちゃうんだ、ってことばはかなしかったけど
そうあっちゃだめなんだどうすればいいんだって自分を変えようともがいていた。
これを超えて、覚悟を身につけたなら、きっと彼女はもっと前にやってくるだろうなあと私は勝手に期待して見ている。


紅白のお手伝いにきたさえちゃんもすてきだった。
あんまりよく知らないけれど、さえちゃんが上海でかっこいいっていうのは私だって知ってる。


突然放り込まれて迷いばかりのいこまちゃん。いこまちゃん見ると私は深呼吸する。


組閣っていうものもやっと分かってきた。
おんなじグループの中の移動なんてなんてことないじゃんってずっと思っていた。
でもそうじゃなくて、実はもっとみんな大切にしているものらしい。
ああやって泣いてしまうのは次のグループが怖いとかじゃない、行きたくないとかじゃない、大切にしてきた時間へのさみしさだ。
また新しい場所に慣れてしまえば、女の子の居場所は増えていく。
私には「なりたい先輩」みたいな理想像とかはなくて、背中を追った経験が無いけれど、たくさんのことを教え、教えられた関係だったらそういう気持ちも大きくなっていくのかもしれない。
そうか〜、確かに寂しいのかもね、特にグループを移籍するのは寂しいのかもね、と頷いてしまった。
でも、強い気持ちでいないと成長の度合いは全然違うよ。やりたいことをやれる場所を選ぶのは自分だよ。とたかみな先輩。
要は覚悟なんだろう。


すーちゃんの壮行会、うすむらさきの衣装。
すーちゃんきれいだよ、って思った。もう長くて2年と言ってしまうのはかなしいけれど、覚悟を持って名古屋に行くんだね。
本当に美しい衣装だった。


雨。
雨の悔しさは少なからず分かる。こういう顔をしてしまいたくなることも分かる。
どうしようもない、けど。
味の素のときは、なんとかの雷雨って曲のときだけパラパラと雨が降ったと聞いた。演出みたいですごかった、と。
なんだか心当たりのある話だ。
もう雨の野外はいやだけど、ついつい恋しくなっちゃうのが野外なのだ。








いろいろ書いてきたけれど、やっぱり私はアイドルが好きだった。