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好きなように話させてよ

手越さんがすごいという話

 
 
手越さんがすごいという話をもっとしたい。
突如湧き立った気持ちである。
 
 
ずいぶん前から、まるで言霊を信じているかのように、まるで自分を鼓舞するかのように、「W杯のキャスターをやりたい」と言っていた。
2年前、ACLのキャスターになったときは大抜擢だ!と思ったが、今回は順当だった。順当も順当、他に誰がいるんだと思うくらいこの2年間サッカー漬けだった。
 
 
サッカーの仕事をしている手越さんはめちゃくちゃキラキラしてる。
もう、めちゃくちゃ。
顔面がすごい。纏う衣装も相当で、共演者は皆それに言及するけど、ほんとは顔だと思う。みんな気づいてても言えなくなるくらい顔がかわいい。引力がすごい。
 
 
もちろん、この何日か(大枠で見ると何年か)で幾度となくネガティブな意見も見た。ネガティブな意見もポジティブな意見もワンクリックで見えちゃう世界だから仕方ない。
でも、その分、賞賛の言葉もたくさん見た気がする。私みたいに、顔がかわいいどうしようとかそんな主観でペラペラしゃべってしまうような身内のそれではなくて、嫌いだと思ってたけどというような冠がつくような。
どれもがうれしかった。迷惑じゃないかな、きらいにならないかな、と躊躇いながらそっと星をつけたり、つけなかったりもした。
 
 
ミュージックビデオや歌番組の収録だけでなく、すさまじい量の番宣番組を収録し、ブラジルへ渡った。地球の裏からサッカーを伝え、日本へ帰国してもすぐに電波ジャックやら番宣収録やら歌番組収録までこなしながら、他国戦のキャスターを深夜にする。
おそらく、かなりの過密スケジュールをこの一ヶ月ほどこなしているのだろうが、疲れを見せない。プロだからと言われればその通りだけど、疲れを見せないどころか、むしろ見ている者にエネルギーを分け与えるほどの力強さでテレビに出ていた。アドレナリンが出てるのだろうけど、どんどん顔もかわいくなっていく(ここめっちゃ主観)。
日本は連日の敗戦で、彼も相当悔しかっただろう。今までのキャスターじゃない手越さんはサッカー見ながら大号泣したり、自分のプレーにも満足がいかないとあからさまに顔を歪め悔しがる人だったから、今回も見えないところではそうであったのだろうと想像したけれど、テレビに映るキャスターの手越さんはあくまで「キャスター」だった。強く次を信じ、周囲にも信じさせるように伝え続けていた。仕事を全うしていた。個人的感情ではなく、日本代表を前に押し進めるための言動と表情だった。
 
 
 
ここまでは私や私に似た人、すなわちアイドルの彼を知る人が抱いた感想かもしれない。
ここから先はそうでない人の言葉を受けて私が感じたことを書いた。
 
 
 
まず、一般論として。
嫌いになることって簡単だと思う。ある一瞬のきっかけで、人は何かを嫌ったりする。それに比べて好きになることって、難しいとは言えないけれど、簡単ではない。なんらかのきっかけがあって気になり始めていろんな側面を見ながら、やがていつの間にか「好き」に変わっていく。好意を持ってもらうことはそれなりに時間がかかることかもしれないが(そしてそれを継続することも大変だ)、嫌われること、無関心でいられることよりもずっと大きなエネルギーを持っているような気が、する。
 
 
だから、いろいろな意見が散見された中で、私はネガティブな意見より数倍拡大してポジティブな意見を受け止めることにしていた。ネガティブな意見の中にはもちろん頷けるものもあったけれど、そんなものは「続ける」ことで解決されていくような気がした。
ポジティブな意見の中に多かったのは、「世界のサッカーだけじゃない、日本のサッカー界、Jリーグにもしっかり関心を持って好きでいてくれる人だ」という認識だった。今までのキャスターにそういう人は多くない、らしい。
 
 
W杯グループリーグ日本敗退が決まった今、彼の目標は「たくさんの人にJリーグを見てもらうこと、盛り上げていくこと」であった。声高らかにそう宣言する。もちろん四年後も見据えているようだが、それはJリーグ活性化の先にある仕事だと思っているかのような口ぶりであった。
 
 
W杯のキャスターをやりたいという己の欲望(だけではもちろん無かったと思うけれど)がサッカー界への明確な貢献に昇華させていく様子を見た気がした。*1正真正銘、この人はサッカーが好きなんだなと思った。そしてなにより、この人は周りに求められているものが見えているし、それに対するアプローチが上手だ。世間の需要と供給を的確に判断できる人なのだ、それも直感的に。
 
 
 
 
 
 
そんなこんなで書きたかったことを書けてスッキリした。
四年後、またよろしくお願いしますとはあえて言わないでおく、なるべくしてなる人がその位置に立っていると思うので。
 

*1:貢献という言葉が適切かは分からないけれど、恩返し的な要素もあると思う。彼がサッカーから学んだ様々なことは、彼自身にとってとても大きなものであったのだろうから。